滑りの課題 ~外腰はなぜ開くのか~

アルペンスキー

この記事では去年ずっと改善できなかった外腰が開く滑りについて向き合っていこうという記事になります。ではいくう~。

目次

  1. 腰が開いているってどんな状況?
  2. トップ選手はどう滑っている?
  3. 意識することは何?~体の動き~
  4. 意識することは何?~考え方~
  5. 想定されるエクササイズ
  6. まとめ

1. 腰が開いているってどんな状況?

早速自分の滑りについてみてみましょう。

腰が開いているってよく言われていたのですが、正直今いちよくわかっていませんでした。わからなすぎて最終的に腰ってどこがわからなくなったほどです。ですがこの写真をみて、腰が開いているの意味が少しわかった気がします。3枚目の写真でははターンマキシマムを迎えているつもりです。マキシマムでは板先が斜面下方向、画面でいえば正面を向いているはずですが板の方向を見ると画面向かって右側に向いていることがわかります。むしろ次のターン方向に板が向き始めてもいいぐらいだと思います。すなわち、マキシマムでの上体の向きと板の向きが揃っていないことが問題なのです。ではこの状況、何が悪いのか。まず、ターンが遅れます。板が真下に向くのがマキシマムを終えた後に来るので次のターンへの初動が遅れますね。次に、板の向きと上体の向きが合わなくなります。ターンマキシマムでは板の向きと上体の向きがそろって斜面に対して正対します。しかし、上体はマキシマムを迎えているにも関わらず、脚はまだ迎えていないため、ここにラグが発生します。すると板がまだ次のターンに入る前に上体は内にどんどん向こうとしていき、結果的に体が内側に入り内倒します
 こう見ると、「腰が開く」から「マキシマムで上体の向きと板の進行方向が揃っていない」といえますが、逆に「マキシマムで上体の向きと板の進行方向が揃っていない」から「腰が開く」ともいえそうです。鶏が先か、卵が先かみたいな話ですが、僕の考えとしてどちらかがうまくいけばもう片方もなおると思っているので今回は腰を開かない意識や方法を考えるため、後者の考えを採用しようと思います。ではトップ選手は腰の動きと板の動きがどう連動しているのかを見てみましょう。

2. トップ選手はどう滑っている?

写真は現在日本大学スキー部に所属する横尾錬選手の2024年インハイGSでの写真です。ここで板のトップと腰の向きに注目します。一枚目ではトップは下に向きつつも上体はやや外向にあります。二枚目では板は依然として斜面下方向に向いています。一方、腰は一枚目に比べ板と同じ方向に向いています。三枚目では、板と腰の向きが一致した状態で加重しマキシマムを迎えています。むしろトップは次のターンへと切り込んでいるくらいですね。一枚目ではエッジで雪面を捉え、二枚目で板と腰の向きを合わせ腰がハマるポジションへ。三枚目ではそのポジションで加重をかけることで板を走らせているような感じでしょうか。

3. 意識することは何?~体の動き~

トップ選手と自分の滑りを比較して根本的な板と腰の向き、使い方の違いが発見できました。ターン中は腰始動ではなく板始動。板の向きに腰の向きを合わせる動きとなります。動きで言うと、股関節の内旋で板の方向を作り、板の向きに追い付くように腰を内側に回旋させる。こうしてターンマキシマムで加重をかけられるポジションに乗ります。これが今の僕の体の動きのイメージです。

4. 意識することは何?~考え方~

 ターンマキシマムへの考え方として、加藤聖五選手がこのようなことを言っていました

スキーのトップが真下を向いたときに自分からアクションをして加重していく。

加藤聖五

自分の中で、ターン前半から加重をかけてマキシマムで一番強く加重をかける意識がありました。加重の意識が強すぎることは角付けがおろそかになってしまうといったことにもつながってそう。動画内で加藤選手がターン前半から加重することへの懸念点について、全て当てはまっていたのでこの考えは僕に合ってると思います笑。書いているうちに気づいたのですがスキーに対して根本的な考えの誤りが結構あるのかなって思いました。例えば、板を横に向けている時の方が力が伝わりやすく加速するとか。板が真下に向いている時に加重しても伝わっているのかどうかが感覚としてわからなかったです。多分、板を横にしているときに加重すると雪面からの反発を感じやすいからだと思います(横滑りで止まるときのような)。こうした感覚を前提に板を横に向けている時間を長くして荷重をかけ続けようとしてました。ですが考え改め、ターン前半はスキーの落下運動に任せて、板が真下を向くまで我慢。この時、無理に板に加重をかけようとしない。向いたら荷重をかけて加速をする。板を下に向ける時間を長くすることを念頭に滑ることにします。

5. 想定されるエクササイズ

 これまでの分析をもとに、イメージした動きを実現させるためのエクササイズについていくつか考えてみます。まず、股関節の内旋です。メニューとしては動的ストレッチで可動域を広げる、関節のつまりをとる、内旋動作を体に覚えさえることが一つ。また、ラダーやミニハードルで股関節の内旋動作を使っていることを意識して行う。そして、サッカーやバスケでの切り替え、ダッシュのスタートの加速でもこの動きが使われるのでこのようなスポーツを行うなど。こうしたトレーニングで改善されると思います。個人的には女の子座りのストレッチや初動負荷マシーンを使うことで改善されているように感じます。次に腰の回旋です。板の動きに合わせたこの動きは、インラインスケートで近い動きを体験できると思います。インラインのトップの向きと腰の向き、マキシマムを意識してターンの切り返しを行うことで動きを体に叩き込んでいきます。

6. まとめ

本記事では滑りの課題である「外腰がなぜ開くのか」について自分の滑りとトップ選手の滑りを比較し、その原因と改善策について考えてきました。外腰が開いている原因は板よりも(内)腰の回旋が先行してしまい、板の動きが遅れる(もしくはこれが原因で外腰が開く)という結論に至りました。去年言われ続けてきたことが一つの形に落ち着いたことはうれしい限りです。文字にしてみると、得るものが多いなと実感しました。この反省をもとに基礎練、ゲート練に入っていこうと思います。

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